マーケティング史研究
Online ISSN : 2436-8342
一般投稿
サービス・エコシステムからみたS-Dロジックにおけるミクロ―マクロ・リンクの進展
―埋め込み,創発,共有意図性概念を用いて―
崔 琳源
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 1 巻 2 号 p. 236-249

詳細
抄録

 本稿は,マーケティングにおいてAlderson(1965)から問題視されている個人の行為からどのように集団的現象が生じ,個人がどのように規制を受けるのかというミクロ・マクロリンクの問題をマーケティングの最新視点であるS-Dロジックのサービス・エコシステム(SES)を用いて対処する。第1に,SESの出現した経緯を学説史的にまとめる。SESはマルチレベル的な集約構造になっており,理論的な発展として見るとミクロからメソ,マクロレベルに向けた拡張としてとらえることができる。第2に,集約レベル間はいかにしてリンクしたのかを解明するため,哲学の「創発」と「共有意図性」,経済社会学の「埋め込み」の3つの用語に着目し,概念間の関係を検討することを通じて「SESの創発プロセス」の枠組みを提案した。

著者関連情報
© 2022 マーケティング史学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top