2026 年 5 巻 2 号 p. 133-146
本研究の目的は,地域ブランド研究に関する既存のシステマティックレビューおよび構造化文献レビューを対象としたレビュー・オブ・レビューを通じて,当該研究領域の全体像を体系的に整理し,理論的・方法論的潮流を明らかにすることである。近年,地域ブランド研究の学際性は拡張し,多様な研究テーマや方法論が蓄積されてきたが,研究の分化と断片化が進むなかで,分野全体の構造や発展過程は必ずしも明確ではなかった。本研究では選定基準に基づき抽出された11本の文献を分析対象とし,研究射程,概念構造,方法論的特徴,成果指標を比較・統合した。その結果,地域ブランド研究は,研究領域の形成・断片化期,概念と理論の整理・統合期,文脈特化・応用深化期へと段階的かつ非連続的に展開してきたことが示された。本研究は地域ブランド研究を研究史的視点から整理することで,今後の理論構築および研究設計に資する基盤を提供する。