順天堂醫事雑誌
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芳香性植物油を用いた背部ケアが呼吸機能にもたらす効果
高谷 真由美岡田 隆夫青木 きよ子
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2013 年 59 巻 2 号 p. 182-188

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抄録
目的: 芳香性植物油を用いた背部ケアが中高年健常者の呼吸機能と自覚症状にもたらす効果を明らかにする. 対象: 40-60歳代の男女で, 呼吸機能に影響するような既往歴・現病歴, 芳香性植物オイル使用による皮膚のトラブルの経験, 定期的な運動習慣がなく, 研究に同意が得られた人16名を対象とした. 方法: 全対象者に以下のA/B/Cを実施し, 前後でスパイロメータによる呼吸機能, 胸郭拡張差, 視覚的アナログ尺度 (VAS) 5項目による自覚症状を測定した. 介入方法CではLavender superとEucalyptus radiateをホホバオイルで3%に希釈したものを使用した. A;コントロール (15分間安静), B;植物油 (ホホバオイル) を用いた背部マッサージ8分+温タオルによる背部清拭+安静を含めて計15分間, C;芳香性植物油を用いた背部マッサージ8分+温タオルによる背部清拭+安静を含めて計15分間. 結果: 対象者は男性8名・女性8名で, 平均年齢54.1±7.4歳, 平均身長は163.8±6.5cmであった. 胸郭拡張差 (p<0.01), 1回換気量 (TV) (p<0.05), 「全身状態に満足している」 (p<0.05), 「肩から頸にかけて不快感がない」 (p<0.01) のVAS2項目において, コントロール群に比較して, 背部ケアを行った群のデータが改善していた. 年齢と介入B, Cの実施順序による変化の差異はみられなかったが, 「呼吸が楽に行える」という項目で性別による交互作用がみられた (p<0.05). 結論: 芳香性の植物油を使用した短時間の背部のケアによって, 胸郭の柔軟性の向上, 自覚症状の軽減, それに伴い呼吸機能データが向上することが明らかになった. 本研究で行った背部ケアは, 短時間で誰にでも実施可能な方法であり, 臨床や在宅で日常的に行うケアに取り入れて実施することが可能である.
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© 2013 順天堂医学会
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