抄録
アンチエイジング医学は, 健康長寿を達成するための学問であるが, 婦人科的なアンチエイジングはそれだけではない. 更年期障害における不調は, 主にエストロゲンの欠乏によるものである. エストロゲンの欠乏は, のぼせや発汗を代表とする様々な症状を引き起こし, 高脂血症や動脈硬化, 骨粗鬆症などのリスクを高める. これに対し, ホルモン補充療法が行われ, 安全性も再確認されつつある. 妊娠前のアンチエイジングは, 晩婚化・晩産化が進むわが国において, 少子化対策としても重要である. 卵巣機能を低下させないための卵巣のアンチエイジングには全身的・全人的なアプローチが必要である. 胎児からのアンチエイジングは, DOHaD (developmental origins of healthand disease) の学説に基づく. 妊娠中の栄養状態・環境が, その後の生涯にわたる疾病に関係するため, 成人病を予防するには, 妊娠中からのアンチエイジングが効率的で効果的な方法である.