順天堂醫事雑誌
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都民公開講座:最新のワクチン事情
小児期の予防接種
過去,現在,そして未来
久田 研
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2014 年 60 巻 Suppl.2 号 p. s35-s41

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抄録
HibやPCVの導入にはじまり,わが国の小児における予防接種政策は,停滞期を乗り越えワクチンギャップが解消されつつあります.予防接種法も一部改定され,基本方針に “予防接種で防げる疾病は予防する” という文言が掲げられました.HibやPCVの導入は,海外と同様に侵襲性感染症を減少させました.水痘ワクチンも定期接種化が予定され,その減少が期待されます.しかしながら,昨年度流行した風疹のように,過去の予防接種体制が,先天性風疹症候群の増加という残念な結果につながることもあります.われわれは,個々の疾病予防のみならず,集団免疫による流行抑制の重要性についても認識を深め,予防接種政策をよりよいものにしていく責務があります.ワクチンの定期接種化,サーベイランス体制の確立,定期接種の年齢制限の撤廃など,まだまだ解決すべき問題もありますが,今後もワクチンギャップの解消に期待が寄せられています.
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