Journal of Mammalian Ova Research
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マウス初期胚においてHexokinaseはグルコース代謝の律速酵素であり活性変化は胚の遺伝子発現による
高見 雅司堤 治綾部 琢哉高見 毅司森田 豊坂元 秀樹武谷 雄二佐藤 和雄
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1995 年 12 巻 1 号 p. 41-46

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抄録
マウス初期胚のエネルギー代謝は特異的でグルコースは初期の胚では利用性が不良であるが8細胞期以降の胚はグルコースを利用可能である.その原因としてhexokinase活性の変化が考えられている.サイクリング法でマウス受精卵のhexokinase 活性を測定すると0.035±0.010 pmol of NADPH formed/embryo/minと低活性で,胚発育に伴い増加し胞胚では約10倍に達した.また活性上昇は胚を体外培養することにより観察されたが,菰態的に同一な胞胚でも in vivo胚に比べin vitro胚では60%程度の活性値にとどまった.またactinomycin-D添加で活性の上昇は抑制された.RT-PCR法によりhexokinase mRNA を検出したところ,2細胞期胚よりメッセージの発現を認め,発育に伴い増強した.これらの成績より初期胚においてhexokinaseはグルコース代謝の律速酵素でその活性は発現はmRNAレベルで調節され,胚発育に伴い増加すると考えられる.
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© 1995 日本卵子学会
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