Journal of Mammalian Ova Research
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性腺刺激ホルモン,エストラジオール-17β,子ウシ血清,卵胞液の刺激によるブタ卵母細胞の成熟減数分裂
:第一極体放出に及ぼす卵胞液とエストラジオール-17β又は子牛血清との相乗効果
康 承律辻井 弘忠
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1996 年 13 巻 1 号 p. 12-18

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抄録

本研究は,ブタ卵母細胞の減数分裂再開および第一極体放出に及ぼす性腺刺激ホルモン,エストラジオール-17β(E2),子ウシ血清,卵胞液の影響について検討を行った.これら5つの因子を単独又は組合わせてmTALP-PVA培地に加え,卵丘-卵子複合体及び裸化卵子を24,32,46時間培養した.対照区に比べて,いずれのPMSG濃度区で卵丘付着卵子の減数分裂が有意に促進された(p<0.05).これら卵子をhCG(15 IU/ml),FBS(15%),E2(10 μg/ml)添加の培地で32時間培養した結果,対照区(p<0.05)及び24時間培養(p<0.05)卵子に比べて,減数分裂再開の割合が有意に高かった.卵丘付着卵子と裸化卵子を46時間成熟培養を行った結果,PMSG,hCG,E2は卵丘付着卵子の第一極体放出を有意に高めた(p<0.05).その反面,裸化卵子には効果が見られなかった.E2又はFBSを単独で添加した区に比べて,これらに卵胞液を加えた区で卵丘付着卵子の第一極体放出が有意に高まった(p<0.05).以上の結果において,PMSG,hCG,E2は卵丘細胞を介して卵母細胞の減数分裂再開及び第一極体放出に好影響を示した.反面,FBSと卵胞液は裸化卵子の核成熟を促進した.卵丘付着卵子の第一極体放出に関して,卵胞液はFBSあるいはE2との相乗効果が見られた.

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© 1996 日本卵子学会
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