1998 年 15 巻 1 号 p. 96-102
自然発情周期で妊娠したラットの着床前後における子宮粘膜上皮のEGFレセプターの変動を検討したところ,レセプター量は妊娠3日目から7日目までは上昇する傾向をしめした.また,EGFレセプター・タンパクは着床後に顕著に増加した.一方,下垂体を腎被膜下に移植した場合,着床数は有為に増加したが,妊娠7日目のEGFレセプター量は僅かに上昇しただけであった.これに対し,PMSGとhCGで処理した場合,EGFレセプター量は著しく減少した.これらの結果から,EGFレセプター量は着床前後で変動し,さらにそのタンパク量は着床後に大きく変動するが,それは初期胚と子宮内膜上皮細胞との結合状況によって変化することが明らかとなった.
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