Journal of Mammalian Ova Research
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3H-パルミチン酸と14C-オレイン酸の双方の投与がマウス着床前卵子の脂質への取込みとその分布
王 公金辻井 弘忠
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1998 年 15 巻 3 号 p. 185-190

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抄録

3H-パルミチン酸と14C-オレイン酸の双方の取込みが,1細胞期から胚盤胞まで全ての発生段階で認められた.これらの取込み割合は,8細胞期以降有意に増加した.卵子の脂質の極性脂質分画ではすべての卵割期で,中性脂質分画では桑実胚と胚盤胞でパルミチン酸の方がオレイン酸より有意に高かった.同様に中性脂質のトリグリセリド,モノグリセリド,ジグリセリドの分布割合も2細胞期を除く卵分割期で,極性脂質のコリンリン酸,エタノールアミンリン酸,スフィンゴミエリンの分布割合は各卵分割期で,パルミチン酸の方がオレイン酸より高かった.しかし,脂質アルコールとモノアミルグリセロール分布割合は各卵分割期で,イノシトール,セリンリン酸中のリゾホスファチジルコリンはオレイン酸の方がパルミチン酸より高かった.また,極性脂質のモノグリコシルグリセロールの分布割合はオレイン酸の方がパルミチン酸より有意に高かった。これら2つの脂肪酸の取込みおよび脂質への分布は,前に報告した単一脂肪酸とはかなり異なっていた.

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© 1998 日本卵子学会
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