1999 年 16 巻 2 号 p. 77-81
迅速FISH法によるウシ受精卵の性判別を紹介した.標本はウシ胚盤胞からバイオプシーした約10個の割球から作製した.PCR法により作製したDig-標識プローブ(ウシ雄特異的塩基配列BC1.2)を含むハイブリダイゼーションミックを標本に滴下し,72℃のアルミブロック上で8分間変性した.ただちに,38.5℃で5分間ハイブリダイズした後,72℃に保温したSSPEに5分間静置して高速洗浄を行った.プローブの発光は抗Dig-FITCを用いて行い,蛍光顕微鏡で観察した.FISHの操作が1時間以内に完了し,雄胚と雌胚とが明瞭に判別できることから,迅速FISH法はウシ受精卵の性判別に有効と考えられた.
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