Journal of Mammalian Ova Research
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16 巻, 2 号
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原著
  • 松本 光晴, 音井 威重, 鈴木 達行
    1999 年 16 巻 2 号 p. 73-76
    発行日: 1999年
    公開日: 2005/08/13
    ジャーナル フリー
    本研究ではウシ体外受精の全過程で同一の培養液(修正SOF液)を用い,乳酸とグルコースが胚の発育に及ぼす効果を検討した.実験1では体外成熟,受精,発生培地に乳酸の0,3.3,5,10,15 mMを,実験2ではグルコースの0,1.5,3,5 mMを添加した.実験3ではグルコースの1.5 mMを体外受精後それぞれ48,72,96,120時間後に添加した.乳酸の添加区間では胚の分割率に差はみられなかったが,胚盤胞率は3.3 mM添加区で34.8%となり,10,15 mM添加区の18.9,15.7%に比べて有意(p<0.05)に高かった.グルコースは無添加区が66.9%の分割率となり,1.5,3,5 mM添加区の41.2,46.5,40.3%に比べて有意(p<0.02)に高かった.また胚盤胞率は無添加区が35.6%となり,3,5 mM添加区の16.7,19.6%に比べて有意(p<0.02)に高かった.グルコースの1.5 mMを96,120時間後に添加した試験区では胚盤胞率がそれぞれ51.6,50.8%となり,48,72時間後に添加した試験区の32.0,33.3%に比べて有意(p<0.05)に高かった.
技術ノート
  • 小林 仁, 佐々田 比呂志, 佐藤 英明
    1999 年 16 巻 2 号 p. 77-81
    発行日: 1999年
    公開日: 2005/08/13
    ジャーナル フリー
    迅速FISH法によるウシ受精卵の性判別を紹介した.標本はウシ胚盤胞からバイオプシーした約10個の割球から作製した.PCR法により作製したDig-標識プローブ(ウシ雄特異的塩基配列BC1.2)を含むハイブリダイゼーションミックを標本に滴下し,72℃のアルミブロック上で8分間変性した.ただちに,38.5℃で5分間ハイブリダイズした後,72℃に保温したSSPEに5分間静置して高速洗浄を行った.プローブの発光は抗Dig-FITCを用いて行い,蛍光顕微鏡で観察した.FISHの操作が1時間以内に完了し,雄胚と雌胚とが明瞭に判別できることから,迅速FISH法はウシ受精卵の性判別に有効と考えられた.
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