Journal of Mammalian Ova Research
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原著
精液所見における当院のSplit ICSIの適応
橋本 洋美後藤 栄坪内 美紀泉 陽子吉村 由香理笠原 優子塩谷 雅英
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キーワード: 精液所見, split ICSI, 目視法
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2004 年 21 巻 4 号 p. 209-213

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抄録

IVFとICSIを回収された卵子の半数ずつに行うSplit ICSIを考慮すべき精液所見を検討することを目的とした.当院で初回ARTを施行した682症例の精液所見を目視法で調べ,精液濃度および運動率別の受精率,妊娠率の検討を行った.受精率30%が以下の症例では受精率50%以上の症例と比較し妊娠率は有意に低かった.精子濃度が2,000万/ml未満の症例では受精率は50.0~53.8%であり,2,000万/ml以上の症例における受精率の65.0~79.5%と比較して有意に低率であった.精子運動率が20%未満の症例では受精率は0~29.6%であり,運動率20%以上の症例の受精率66.8~76.8%と比較して有意に低率であった.精子濃度2,000万/ml未満または精子運動率が20%未満の症例に対してはsplit ICSIを考慮すべきと考えられた.

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© 2004 日本卵子学会
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