Journal of Mammalian Ova Research
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総説
LC-Polscopeによる卵子紡錘体観察の有用性
内山 一男菊池 理仁家田 祥子山下 直樹竹原 祐志貝嶋 弘恒加藤 修
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キーワード: LC-Polscope, 紡錘体, ICSI
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2008 年 25 巻 2 号 p. 105-110

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抄録
卵子細胞質内精子注入法(ICSI)を施行する前にLC-Polscopeを用いて第2減数分裂中期の卵子を観察することで,紡錘体の位置の特定が可能となる.紡錘体は必ずしも第1極体(PB1)に近接せずICSI施行領域にも認められることから,ICSI操作による紡錘体損傷が懸念される.従来のPB1の位置を指標としたICSIと比較して,紡錘体の位置を指標とするLC-Polscope-ICSIは,多核受精率が有意に低かった.また,LC-Polscopeによって紡錘体が可視化される卵子は全体の約80%を占めたが,その可視,不可視により受精率,良好分割率,胚盤胞発生率に差を認めた.この結果は,紡錘体の可視,不可視が卵子の品質判定の指標に成り得る可能性があることを示している.さらに,LC-Polscopeによる紡錘体画像のretardanceが胚盤胞発生率と相関する可能性も示唆された.
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© 2008 日本卵子学会
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