Journal of Mammalian Ova Research
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特集:選択的単一胚移植
良好胚の選択
沖津 摂
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2008 年 25 巻 2 号 p. 90-97

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抄録
ここ近年,生殖補助医療において多胎の回避と妊娠率の向上との両立が強く求められてきており,その解決策としてeSETが広まってきている.eSETでは,得られた受精卵の中から最も発生能力の高い胚を厳密に1つ選択することが求められてくる.そのためには一般的に広く用いられているVeeck分類やGardnerの胚盤胞評価法に加えて初期分割期の割球中に確認される多核の存在,前核サイズの均一性,さらには卵細胞質にみられる種々の微細構造の有無など,様々な要因について受精卵ごとに情報を収集した上でそれらの有意性を検証する必要がある.そしてその結果を元に各治療周期で得られた受精卵全てに対して厳密に優先順位をつけていくことが重要である.本稿では,未受精卵の段階から胚移植までの間に顕微鏡下より得られる様々な形態的特徴についてその各々がどの程度胚の着床能に影響を及ぼしているのかを探るために当院における臨床データを後方視的に解析した.eSETの精度向上のためには初期胚の形態的情報に加え,今後は採卵で得られた各々の卵子が含まれていた個々の卵胞サイズの測定情報,卵胞液や胚培養後の培養液の生化学的な分析結果,卵胞内顆粒膜細胞や卵丘細胞の遺伝子発現状況の分析など,より緻密で正確な情報を蓄積していき,それらを共有化できる環境を整備することが重要である.そして各要因が胚の発生能に与える影響の大きさを分析することによって,情報蓄積量の増加に伴い胚選択の精度は益々向上するものと考える.
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© 2008 日本卵子学会
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