Journal of Mammalian Ova Research
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総説(特集:生殖医学の新技術)
卵胞人為的活性化技術による新しい不妊治療:IVA; in vitro Activation
河村 和弘
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2014 年 31 巻 4 号 p. 102-106

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抄録
卵巣内に存在する原始卵胞は生体内においては再生・増殖せず,加齢もしくは特定の原因により減少する.残存卵胞数が限界値以下となると,卵胞発育の最初の過程である活性化が障害され,引く続く卵胞発育がおこらず無排卵,無月経となる.原始卵胞の活性化機構は現在も不明な部分が多いが,われわれは細胞内シグナルに着目し,薬剤を用いてPhosphoinositide 3-kinase (PI3K)-Akt-Forkhead box O3 (Foxo3) 経路を活性化することで卵胞の人為的活性化に成功した(IVA; in vitro activation).卵巣内の残存卵胞数減少により無排卵,無月経となった早発卵巣不全患者に対して,IVAを臨床応用することで成熟卵子を産出し,体外受精胚移植にて妊娠・分娩に成功した.本稿ではIVAによる不妊治療について概説する.
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© 2014 日本卵子学会
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