哺乳動物卵子学会誌
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共培養法によるES細胞キメラマウスの作出
杉野 友啓東 貞宏佐藤 英明豊田 裕
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1993 年 10 巻 2 号 p. 216-221

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抄録
マウスA3-1胚性幹細胞 (A3-1 ES細胞) と透明帯除去胚の共培養によってキメラマウスの作出が可能であるかどうかをいくつかの条件下で検討した。5%牛胎児血清 (FCS) と23mM乳酸ナトリウムを含むDulbecco改変Eagle培地 (DMEM) と10%FCSを含むWhitten培地 (WM) において2種類の濃度 (0.5×106, 1.0×106 cells/ml) のA3-1 ES細胞を8細胞期または桑実期の透明帯除去胚と共培養し、3時間後細胞が接着した胚をWMで胚盤胞まで発生させた。それらの胚を偽妊娠雌マウスに移植し分娩予定日にキメラ個体を含む産仔を得たが、0.5×106cens/mlの濃度のES細胞と桑実胚を共培養した場合、最も高いキメラ産出率 (5.4%) を得た。従って共培養によるキメラ作出法がA3-1 ES細胞にも有効であること及び共培養中に用いる胚のステージはキメラマウス作出の効率に影響することが示された。
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© 日本哺乳動物卵子学会
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