2017 年 65 巻 12 号 p. 636-639
牛乳や雲の白色がどうして生じるかを説明し,夕焼けや空の青色の原因である光の散乱によって説明できることを示す。光が波であることを説明した後,白色光源である太陽,ハロゲンランプについて紹介し,白色と感じるのは人間の眼の構造が重要であることを示す。光の波長と比較して粒子の直径が小さいときはレイリー散乱で扱えるが,そうでない時はミー散乱を考えなければならない。他にシロクマの毛や酸化チタン(Ⅳ)粉末の白も同様に説明できる。酸化チタン(Ⅳ)粉末については不規則系における波の局在化現象であるアンダーソン局在の研究に用いられ,光の波がどのような状態になっているかの理解が進んでいる。