哺乳動物卵子学会誌
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マウス初期胚糖輸送担体 (GLUTl) mRNA発現のRT-PCR法による解析
森田 豊堤 治岡 芳知片桐 秀樹武谷 雄二
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1994 年 11 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
マウス初期胚は発育分化にともない, 糖取り込み能, 糖利用能が急速に増加し, 糖輸送担体 (GLUT1) 蛋白の発現増加が, その要因であることが明らかになってきている。今回, RT-PCR (reverse transcription-polymerase chain reaction) 法を用いることにより, 初期胚におけるGLUTl mRNAの解析を行った。マウス2細胞期胚, 胞胚のそれぞれ100個より, ミクロスピソカラムを用いてpolyA+RNAを抽出し, 逆転写して一本鎖cDNAを合成した。このcDNAを鋳型として, マウスGLUTi cDNAの361bpを規定するプライマーを用いてPCRをおこない, GLUT1mRNAの検出を試みた。GLUT1mRNA発現は, 2細胞期胚, 胞胚のいずれにおいても検出され, その発現は, 胞胚において増加している可能性が示された。以上より, マウス初期胚発育にともなう糖取り込み能の発達は, GLUT1の転写レベルにおける発現調節によることが示唆された。
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