哺乳動物卵子学会誌
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マウス4-細胞期胚の体外発生におよぼすプロスタグランジンの影響
栃木 明人吉永 陽樹長岡 美樹橋本 芳美早川 智栃木 武一津端 捷夫佐藤 和雄
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1994 年 11 巻 2 号 p. 247-252

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抄録

PGの初期胚発生におよぼす影響についてマウス4細胞期胚を用い, in vitroで検討した. マウス胚はPMS-hCG処置後の卵管より採取した. IND, PG (E2, F2α, I2)(0-200μM) およびSp-cAMPS (0.3-2.5mM) 添加のmBWWを用い5%CO2 in air, 37℃で培養し, その後の胚発生を観察した. 無添加では胚盤胞の形成は77-87%であったが, PGE, 5μM添加では57.1%, 10μMで25%に低下した. IND100μM添加では52.3%, PGF2α50μMで25%低下したが, PGI2は200μM添加でも胚盤胞の形成率は無添加と同様であった. Sp-cAMPS (0.3mM) 添加で胚盤胞の形成は抑制されたが, Sp-cAMPS暴露後の胚を無添加で培養すると66, 7%に胚盤胞の形成の回復が認められた. これらより, PGがマウス初期胚発生を抑制することが明らかとなった. Sp-cAMPSも同様の効果を認めたが, PGによるものとは異なることが推察された.

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© 日本哺乳動物卵子学会
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