2019 年 19 巻 2 号 p. 45-48
核磁気共鳴画像法(MRI)による筋体積変化量の評価によって,膝関節伸展発揮トルク変化量を測定できるか検討した。健常者ボランティア6 名の両下肢計12 脚を対象とした。大腿四頭筋の膝関節伸展発揮トルク増強運動を8 週間継続し,運動開始前,開始後8 週で筋力測定器を用いた膝関節伸展発揮トルク測定,MRI による筋体積の測定を行った。結果,運動開始前,開始後8 週で大腿四頭筋の膝関節伸展発揮トルク,筋体積はともに有意に増大した(p<0.001)。また,大腿四頭筋の膝関節伸展発揮トルク変化量と筋体積変化量との間に,正の相関を認めた(r=0.64,p=0.02)。MRI を用いた筋体積の経時的評価は,意識障害などで一般的な筋力測定法を用いることができない症例において,間接的な筋発揮能力の推定方法として今後応用できる可能性が示唆された。