徒手理学療法
Online ISSN : 2434-4087
Print ISSN : 1346-9223
研究論文
健常人において,神経筋促通法のレプリケーションは膝の自動屈曲伸展運動に比べて膝の位置再現能力を高めるか
―パイロット準ランダム化臨床試験―
金野 賢吉川 和希藤島 大希鈴木 克弥高﨑 博司
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2020 年 20 巻 2 号 p. 35-40

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抄録

本研究は,健常人を対象として,神経筋促通法のレプリケーションを伴う膝屈曲伸展運動を行う群と膝屈曲伸展運動のみ行う群の2 群で,膝関節位置覚に与える影響を準ランダム化臨床試験で予備的に比較した。対象者は18~ 25 歳の健常者で,計測はベッド上端座位で目隠しをして行った。被験者は,記憶した膝45°に角度を合わせる膝位置再現テストを行った。次に,膝45°までレプリケーションを伴うまたは伴わない膝屈曲伸展運動を1 分間繰り返し,介入直後から3 分ごとに27 分後まで膝位置再現テストを繰り返した。各群9 名のデータを解析した結果,介入直後から一貫して,レプリケーションを行った群の膝位置再現テストの結果が膝屈曲伸展運動群よりも劣る結果であった。本研究結果は,スポーツ競技前のレプリケーションによる介入は,膝の関節位置覚を向上させることはできず,障害予防やパフォーマンス向上は期待できないと考えられた。

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© 2020 日本徒手理学療法学会
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