徒手理学療法
Online ISSN : 2434-4087
Print ISSN : 1346-9223
研究論文
患者の自律性を高める理学療法士のコミュニケーション能力を評価するCommunication Evaluation in Rehabilitation Toolの検者間信頼性検討
立川 恵梨子半田 裕介千葉 弘樹三木 貴弘近藤 湧浜本 龍樹高﨑 博司
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2021 年 21 巻 2 号 p. 37-44

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抄録

2018年,患者の自律性を高める理学療法士のコミュニケーション能力を評価するCommunication Evaluation in Rehabilitation Tool(CERT)が開発された。開発者間ではCERTの合計点について級内相関係数(ICC)が0.76と報告されている。本研究の目的は,CERTの開発者以外における検者間信頼性を検証することとした。理学療法士(4名)から治療を受けた腰痛患者(各4名)計16名の初回音声データを,2名の評価者が独立して評価した。評価者は4時間相当のCERTのトレーニング資料(3症例の音声とCERTの参考値)を視聴閲覧した後,CERTの採点マニュアルに沿って採点した。検者間信頼性はCERTの各18項目と合計点においてICCを求め,0.40以下をweakと解釈した。解析の結果,合計点のICCは0.85であったが,6項目では0.40以下であった。本研究では,CERTの開発者以外においてもCERTの合計点には検者間信頼性があることが明らかとなった。今後は採点マニュアルを改善し,全項目において検者間信頼性が担保されるのか検討する必要がある。

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© 2021 日本徒手理学療法学会
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