2021 年 21 巻 2 号 p. 57-62
腰痛は有訴者が多く国民病といわれるが,そのうち病態原因を特定できるものは約15%といわれている。このような疾患における問題解決方法として,症状に対しメカニカルな負荷を加える際の症状変化のパターンによってマネージメントを決定する考え方が有用になる場合がある。今回,急性後弯変形を呈した腰痛患者に対しMechanical Diagnosis & Therapy(MDT)による評価と介入で改善が認められたので報告する。40歳女性が痛みのため腰椎後弯変形を呈し家族に付き添われ来院した。メカニカルな負荷をかけながら慎重に症状・所見の変化を観察し介入したところ,著明な改善が得られた。