2023 年 23 巻 1 号 p. 59-65
2021年10月に理学療法ガイドライン第2版が完成し,発刊された。その中には,「手関節・手指機能障害理学療法ガイドライン」が収録されており,対象疾患として手根管症候群に関するクリニカルクエスチョンが掲載されている。手根管症候群の保存療法における理学療法としては,神経・腱の滑走運動や手根骨モビライゼーションなどによる徒手理学療法による介入が多かった。その効果としては,疼痛と感覚障害に対して改善がみられることにより,患者の心理的負担要素の軽減を図ることが可能であると考えられる。一方で,非常に弱いエビデンスが多いのが現状であり,バイアスリスクを克服してサンプル数の多い質の高いRCT研究が望まれる。日常の臨床場面において一定水準以上の理学療法が実施されるとともに,その質のさらなる向上のため,本ガイドラインが幅広く活用されることを期待する。