MACRO REVIEW
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固形燃料の地域冷暖房システムへの利用可能性
安田 八十五劉 庭秀
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1998 年 10 巻 2 号 p. 61-70

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抄録

最近、ダイオキシン排出、大気汚染規制強化や焼却の大規模化によってごみ焼却は厳しい状況である。固形燃料化システムはこのような状況の新たな代案として注目されている。しかし、RDFは発電、熱回収のような十分な需要先が確保されていない状況も事実である。 本研究は地域冷暖房システムの補助熱源としてのRDFの利用可能性について、全プロセスの環境負荷、社会的純便益の二つの観点から分析する。環境負荷は、あるシステム或いは製品の原料採掘から廃棄までの環境負荷を評価するLCI(Life Cycle Inventory)の概念を用いて分析した。まず、固形燃料の製造、焼却プロセスはLCI分析によって、既存システムより低公害、効率的なエネルギー回収ができることが確認され、化石燃料を利用する地域冷暖房システムとRDFを補助燃料として利用するシステムとの比較を行った。最終的に、全体的な分析結果はRDFを利用するシステムが既存システムより低い環境負荷、高い社会的純便益を示した。

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© 日本マクロエンジニアリング学会
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