MACRO REVIEW
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ごみ問題の総合的な環境政策立案と誘導推進を
西嶋 洋一
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2000 年 12 巻 1 号 p. 9-11

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抄録

アジェンダ21(持続可能な開発のための人類の行動計画)の実施段階に入り、世界中が地球環境保全に向けて動き出した。日本はその中で健闘しており、ごみ問題も遅々ではあるが、継続的改善に向けて動き始めている。改善は劣化のスピードが落ちた程度であるが進歩はしている。ごみ問題の持続可能性を考えるには、環境問題の最下流にあり結果の部分のみに目を向け狭義のごみ問題に絞るのではなく、上流に遡ってごみ発生の原因系の追求とその防止に力点を置く広義のごみ問題を考慮する必要がある。 アジェンダ21の実施の流れ出、循環型経済社会における環境政策の総合・統合的視点でごみ問題を捉えてみたい。「ゆり篭から墓場まで」の思想であるインプット(原料)-プロセス(輸送、製造、使用)-アウトプット(廃棄物)の全体のライフサイクルでごみ廃棄の極小化のための、地球全体系の環境政策手段の展開から捉える。総合的なごみ問題対策とは、「総合的なごみ問題対策概念」図に見る様に、環境に関わる法規制、経済的手段、民間主導(ISO14000)の経営的手段を開発し、その統合的な運用を図ることが重要である。本稿ではアジェンダ21以降、環境改善が顕著な民間主導の経営的手段である環境マネージメントを主体に、将来の展望をしていきたい。 その基本は汚染の予防であり、「ごみを出さない、ごみを最小にする、再利用、リサイクルしよう」である。企業が先ず意識改革を経て、環境改善行動取り組みに成果を挙げ、それが原価低減や、社会的認知を得られるなどの便益に繋がりつつある。

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