MACRO REVIEW
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インドネシアの電源開発を総合化するために
前河 涌典
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2000 年 13 巻 2 号 p. 41-44

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抄録

インドネシアには、2000年2月1日現在で、我が国から173名のJICA専門家が派遣されており、これは全世界に派遣されている1552名の11%強を占め、最大の派遣国である。またグリーンエイドプランでは、石炭ブリケット、バイオブリケット、石炭流動床ボイラー、石炭資源開発などのプロジェクトが実施され、また石炭液化、ガス化などの研究開発協力なども行われている。 インドネシアは、石油、天然ガス、石炭などのエネルギー資源に恵まれているが、石油資源の減少から、クリーンな石炭利用技術による国内代替エネルギーの開発が求められている。このため多数の大型石炭火力発電所建設計画が策定されている。又インドネシアでは1999年に人口が2億人を越え、さらに米不足、主要穀物の一部の輸入増大などから、農地開発を含めた農業振興が重要な課題となって来て居り,JICAの専門家の約40名が農業振興の為の協力を行っている。 これら我が国からの協力を基に、上述の二つの協力分野を総合して、新たに相乗的な効果を生み出す可能性のある方策として、発電所からの脱硫灰を極性化した農地の回復に用い、問題となっている農業の振興を図る技術協力の実施がある。この技術は既に中国で実証されている。本報告は、これに対するインドネシアに於ける可能性について考察したものである。

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