MACRO REVIEW
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廃棄物固形燃料化によるPFI型発電事業の評価と政策分析
安田 八十五
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2001 年 14 巻 1 号 p. 3-16

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抄録

日本では一般廃棄物を効率的に減量化し衛生的に処理する手段として、焼却処理が広く普及してきた。しかし私たちの生活が豊かになるにつれプラスチック等の多種多様な廃棄物が発生しそれを焼却処理する過程でダイオキシン類を始めとする有害化学物質が発生するようになり、それらの発生を抑制することが急務となっている。 厚生省は一般廃棄物処分場からのダイオキシン類の発生を抑制する手段として各地の自治体が保有する小型の一般廃棄物焼却場を集約し、ダイオキシンの発生を抑制しやすい大規模な焼却施設に集約するゴミ処理広域化計画を進めている。 本研究は、ダイオキシン対策を主たる目的とする廃棄物処理広域化計画及び廃棄物固形燃料(Refuse Derived Fuels:RDF)化政策の有効性を環境面及び経済面とから評価することが主たるねらいである。 本研究においては、環境影響負荷評価に関しては、Life Cycle Assessment(LCA)を適用し、経済面の総合評価に関しては、社会的費用便益分析(Social Cost Benefit Analysis)を中心とするプロジェクト評価論(Project Evaluation Theory)の方法論を用いる。 全域広域化直接ごみ発電(ガス化溶融、中継なし)方式の方が全体として費用が低いが、定性的因子を考慮すると、RDFプラントを域内に3ヶ所作り、RDF発電所を1ヶ所建設するという方式の方が優れていると考え、この方式をA県北西部地域の関係自治体に政策提言を行った。定量的に計算した費用の差が定性的因子の価値を表しているとみなすことができる。

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