抄録
地球環境問題の1つである砂漠化がもたらす負の影響は極めて大きい。この砂漠化の解消には、緑化が有効である。緑化は植林を行なうことにより具体化できるが、文字通り木を植えれば良いというのではない。苗に必要な水・養分が与えられ、他の草食動物に新芽を食べられないようにし、適宜下草を刈るなどの手入れがなされ、個々の木が成木となるための一連のシステムとして機能する仕組みが必要となるが、これはマクロエンジニアリングそのものである。 中国黄河流域は砂漠化の進行が著しく、緑化が求められている。この場合、最も重要なのは緑化をシステム的に行なうマクロエンジニアリング、特にマクロマネジメントである。社会林業アプローチと行政のタイアップという現地サイドのマクロマネジメントと、国際協力も含めたパッケージマネジメントの確立という、重層的マクロマネジメントが求められる。