MACRO REVIEW
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中国の大気環境保全に係わるマクロエンジニアリング
新田 義孝
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1992 年 5 巻 1 号 p. 57-61

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抄録

わが国の日本海側では,冬の季節風に乗って中国大陸から硫黄酸化物が飛来している。未だ森林や土壌を劣化するほど酸性度は高くないが,中国本土にとってみればかなりの被害が出るレベルに達しているものと思われる。中国では一次エネルギーの約8割を石炭に依存しており,電気集じん機がようやく取り付けられ始めたものの,脱硫装置は未だ設置されていない。よって石炭中に含まれる硫黄は硫黄酸化物として大気に放出されている。中国の大気汚染対策を今の内から進めておかないと,2000年頃には中国国民の健康が損なわれるおそれがある。日本の冬の季節風の川上に位置する本渓市に焦点を合わせて,中国大陸の大気汚染対策をマクロエンジニアリングと把えてみた。

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© 日本マクロエンジニアリング学会
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