MACRO REVIEW
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サスティナブル(持続可能)な文明考
岩淵 雅明
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1994 年 7 巻 1 号 p. 93-100

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抄録
1972年にローマクラブが指摘した、「成長の限界」は人口の爆発と資源の枯渇と環境の破壊により、今後の人類の経済の成長はもはや困難だという旨であった。 そのアンチテーゼとして、この概念が生まれたと思う。そしてサスティナブルな文明の構築が、人類にとって焦眉の急であることは、認識の違いはあっても、皆が認めていることであろう。 しかし、そこに至るための中心技術は何であり、どういう技術群を創り出し、組み立てて行けばよいのか、誰も正確に理解するに至っていないように見受けられる。 筆者なりの考えでは、その文明の実体は、超動物的(Heterotrophic type)なオイル文明を否定するものではなく、この文明装置から「ゴミ」として排出されるものを、直ちに充分な早さと効率で、有用資源に戻せるようなバイパスの文明装置(Autotrophic type)を創造し、育て、併立・共生させた状態と定義したい。 それは、地球の負荷処理に対し、パラレル処理が原則であり、新規の経済成長の総てを荷なうだけでなく、地球のそれの可成りの分までも、このバイパスで処理すべきものと考える。
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© 日本マクロエンジニアリング学会
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