MACRO REVIEW
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長江三峡ダムの交通運輸より見た評価
21世紀のユーラシア・ランドブリッジへの幕開け
沼尻 重男
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1996 年 9 巻 1 号 p. 19-24

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抄録

21世紀初頭の完成を目指す三峡ダムの建設目的の1つとして航運の確保が取り上げられている。従来の中国の運河は、主として南北の流れに重点が置かれてきたのに対して、このダムは長江の「運河化」により東西の物的・人的な交流を促進し、今後中国の内陸開発だけでなく、広くユーラシヤ大陸一体化の第1歩となる大きな意義を持つと考えられる。9月上旬の長江研究旅行の際、3千トン級の客船で、建設が本格化する三峡ダムのサイトを眺め、先立って築造された葛州ダムのロックを通過しながら、この感を強くした。

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© 日本マクロエンジニアリング学会
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