抄録
1957年から1959年にかけて手稲山頂において直径15~200μの雲粒の電荷の測定を行なつた.雲粒を温暖雲粒,過冷却雲粒,凍結雲粒および氷粒に分類して結果を述べた。
すべての型の雲粒を通じて,正・負両符号の雲粒が観測されたが,しかし負の雲粒の数が多かつた.また降雨の場合と同様な鏡像関係が雲粒電荷と空中電位の間にたいてい成立した。雲粒の荷電量はだいたい直径の3乗に比例した.凍結しない液相の雲粒では荷電したものは荷電しない雲粒よりも相当大きい。
これらの結果から比較的大きい雲粒の荷電機構は次のように考えられる.荷電の初期においてWilsonのイオンの選択吸収機購によつて,その時の空中電場とは反対符号に荷電する.次に比較的大きい雲粒はすでにWilsonの機構により荷電している小さい雲粒と衝突することにより成長する。雲粒が凍結した後には雲粒相互の摩擦による電気発生がこれにかわる。