抄録
これまでの研究(Magono and Kikuchi,1963, 1965; Kikuchi, 1965)に引続き,氷の試料の融解の際に発生する正電荷についての実験が行なわれた。
その結果,融解中の氷の表面から,氷に含まれていた気泡の破裂によって生じた多くの微水滴が飛び散るのが観測された。それらの微水滴の多くは,-10-7~-10-5 esuの電荷を有するものであることがわかった。これらの微水滴が"jet droplets"機構によってできるものと仮定すれば,気泡量と電荷量との関係(Kikuchi, 1965)がよく説明される。