Wiin-Nielsenによって導入された超長波の人為的制御の概念を拡帳し,ここでは大気の全層にわたって考察を行なった。その結果,超長波の西進をおさえるための必須の条件は,static stabilityがp-2に比例する場合には,大気の最上端でφ=0の条件となることがわかった。
次に,この上端の仮定を用いて最も簡単な大気モデルを作った。これは下部成層圏に1層,対流圏に2層をもつような3層モデルである。このモデルに含まれる対流圏内部の運動は,Wiin-Nielsenが得たものとほとんど同じ結果を与え,当然,超長波の著しい西進は起こらない。また,従來多少あいまいであったμ項は,このモデルでは明確な形で定義することができた。
最後に,上端の仮定の物理的意味について考察を行ない,このような条件は成層圏の内部に期待できることが推論される。
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