気象集誌. 第2輯
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冬の季節風下の日本列島上空の豪雪メゾジェットの機構
藤田 哲也土屋 清
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1967 年 45 巻 1 号 p. 96-110

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抄録
気象衛星写真と放射データを使って,冬の季節風下の日本付近の雲のメゾスケールの特徴を調べていたときに,季節風に対して障碍物として横たわっている北海道や本州の風上側の降雪域の上空に,メゾスケールのじょう乱のあることが解析された。平均間隔が200kmの比較的細かい高層観測網の観測資料により,このメゾシステムの垂直構造のメゾ•シノプティック解析をした。このシステムの特徴は,寒気塊のすぐ上に,破壊された圏界面から下降した暖気のあることである。1963年と1964年のデーターの解析結果によれば,上層の風はこのメゾシステムを数時間で吹きぬけて行くけれども,システム自体は季節風による降雪域の上空に停滞している。この上空のメゾシステムの形成と発達の説明にあたって,“豪雪メゾジェット”というメゾスケールのジェットストリームを提示する。
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© 社団法人 日本気象学会
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