気象集誌. 第2輯
Online ISSN : 2186-9057
Print ISSN : 0026-1165
ISSN-L : 0026-1165
‘鉛直’臨界層近傍につくられる惑星波に伴う平均子午面循環
高橋 正明瓜生 道也
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 58 巻 3 号 p. 153-159

詳細
抄録

南北に伝播するプラネタリー波に伴って,‘鉛直’臨界層近傍につくられるオイラー及びラグランジュ平均運動をβ平面上のwave guideを使ったモデルで議論する。
オイラー平均子午面内流線関数はδ-関数形のReynolds stressの発散によって誘導されることが臨界層問題についての流体力学の結果(例;Lin,1967)から導かれる。
オイラー平均流は臨界面を中心にして(ロスビーの変形半径)/2π程度の広がりを持っている。平均帯状流加速については2つの部分からなり;1つは臨界層内にある東風加速で,これは子午面循環とは関係ない。もう1つは波によって誘導された平均子午面循環に働くコリオリ力による加速であって,中層で東風加速,上•下層で西風加速になっている。鉛直運動は臨界面をはさんで不連続であり,上層の南側(北側)は上昇流(下降流),又下層は上層と逆向きの4つのsector構造になっている。
最後にラグランジュ平均流はオイラー平均流と同じである事が示される。

著者関連情報
© 社団法人 日本気象学会
次の記事
feedback
Top