1980 年 58 巻 3 号 p. 160-171
チャネル•ベータ面上の二層流体中に存在する惑星波の安定性を議論する。傾圧波の最低次のモードは三波共鳴不安定を常に起こすが,順圧波の最低次のモードは東西波数がある臨界値以下の場合には安定である。この場合に順圧波の変調を支配する発展方程式を導出し,厳密解の一つである平面波解の安定性を論じる。臨界状態では主波の群速度と付随する長波(帯状流)の位相速度が等しく共鳴を起こしている。この共鳴現象を支配する発展方程式系も導出し,その平面波解の安定性を論じる。この長波共鳴現象は比較的強い帯状流を駆動する機構の一つとして,又惑星孤立波を生む一因として重要であることを示唆する。