気象集誌. 第2輯
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海風時に発達する自由対流内部境界層に関する飛行機観測
蒲生 稔山本 晋横山 長之
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1982 年 60 巻 6 号 p. 1284-1298

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抄録

内部境界層の飛行機観測を海岸地域上空で行った。ここでは海風に伴い発達する自由対流内部境界層について解析する。観測データは温位の水平および鉛直方向の変化の違いから,数グループに分類された。一般に,安定な海上大気から内部境界層内に飛行すると,始めに乱れが急に大きくなり,しぼらくして温位が上昇を開始する。乱流の大きさにより求められる内部境界層の高さは温位変化により求められる高さより約1.5倍高い。湿度は乱れが急に大きくなるところで増加し始める。この原因として,上層の海上安定大気に貫入する熱プループの効果が考えられる。また海上安定大気の温位勾配は内部境界層の高さおよび内部の温度上昇を決定する上で大きなファクタとなっている。

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