抄録
一般に気象要素間には有意な内部相関の存在する例が多い。このような気象要素を予測因子とする重回帰式を導く方法について検討した。方法は,I:EOF不使用,II:気象要素にEOFの操作を施した後に予測対象と有意な相関をもつEOF成分のみを予測因子とする,III:用いる気象要素すべてを正規化した後にIIと同じ手順をとる,の3つである。また,精度の基準として自由度調整ずみの重相関係数を用い,重回帰式の項数をきめた。予測対象は南関東の日降水量,予測因子は気象庁数値モデル予想値から有意な要素を選び,降水の192時間予想について3つの方法の結果を比較した。検証の方法にはスキル•スコアーを用い,方法IIIがもっともよい結果を得た。