1988 年 66 巻 3 号 p. 433-443
大規模スケールの表面水温アノマリ変動の特徴を理解するために,表面水温アノマリの時間変動の類似性に着目してのクラスター解析を,北太平洋の表面水温アノマリ場に対して行った。この解析によって,表面水温アノマリがコヒーレソトに変動する海域として北太平洋の中緯度西部海域がひとまわりの海域(REGION A)として抽出できた。この海域は,北太平洋表面水温アノマリ場の主成分解析では表現できなかったものである。さらに,北太平洋は,四つの主な海域に分けることが出来る。すなわち,北西海域(REGION A),西部熱帯海域(REGION B),北太平洋中央海域(REGION C),東部境界海域(REGION D)である。これらの海域を特徴づける海洋および大気の条件についても議論する。