気象集誌. 第2輯
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気象庁全球スペクトルモデルを用いた力学的1か月予報実験
山田 真吾前田 修平工藤 達也岩崎 俊樹露木 義
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1991 年 69 巻 1 号 p. 153-159

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抄録

力学的1か月予報の実用的な可能性を探るために、時間ラグ平均法による集団予報実験を行った。冬期の8ケースについて検証した結果は以下のとおり:
(1)1-30日平均した北半球500hPa高度場のアノマリー相関係数は、8ケース平均で0.54、根2乗平均誤差は55mであり、単独の力学的予報のスキルや気候値予報のスキルよりも良い。時間ラグ平均法による1か月予報は、実用的にも有効なスキルがあるといえる。
(2)10日平均500hPa高度場に対しては、集団平均の効果は第2旬目(11-20日平均)以降、明瞭になる。第3旬目(21-30日平均)の根2乗平均誤差は、気候値予報よりやや大きく、実用的な精度としてはギリギリの線である。

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© 社団法人 日本気象学会
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