ろ紙による雪片の含水率測定法(中村、1960)を自動化した含水率計を試作し、野外観測を行った。その結果
(1)含水率は、同じ質量の雪片同志の問でも大きなばらつきを示した。
(2)同じ質量を持つ雪片の平均含水率(W)と質量(m)との問には、logW=-αlogm+logβ (2)
の近似式が成り立った。ここで、αとβは質量に関係のない定数で、αの値は0.27から0.95の間にあり、平均は0.53また、βは0.07から0.51、平均0.25であった。
(3)定数α、βの物理的意味を知る為に、雪片の融解方程式を解いて、(2)式と同じ含水率と質量の関係を得た。その結果αは落下速度だけに関係しているのに対してβは落下速度の他に融解雪片に含まれる氷の骨組密度、融解層内で周りの空気から雪片に輸送される熱量などに関係していることがわかった。
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