気象集誌. 第2輯
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不均質散乱大気中におけるデルタ4スhリーム近似の精度について
柴田 清孝内山 明博
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1992 年 70 巻 6 号 p. 1097-1109

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抄録

デルタ4ストリーム近似法の精度を、この近似法を大気大循環モデルに導入するために、不均質散乱大気中で調べた。ガウス•ルジャンドルの積分公式を[0-1]区間で使うことと、マトリックス•オペレイター法を適用することにより不均質大気中の放射伝達方程式を2行2列のの行列方程式に変換できる。2行2列の行列に対する演算は解析的に簡単にできるので、2行2列の行列方程式の解を求めるのにそんなに時間を必要としない。このことは、大気大循環モデルでこの近似法が使えることを意味している。
デルタ4ストリーム近似法と厳密計算法(32ストリーム近似法)の比較が種々のエーロゾルや雲を含むモデル大気の太陽加熱率の計算を通して行われた。デルタ4ストリーム近似法の誤差は太陽高度角のコサインが0.3より大きい場合は5%以下で、0.3より小さくなると誤差は増加傾向を示すが、誤差は概ね10%以下である。

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© 社団法人 日本気象学会
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