1992 年 70 巻 6 号 p. 1111-1123
気象庁の観測船啓風丸のレーダーデータを使って、1990年6月8-9日に西部熱帯太平洋上ITCZ内に発生したクラウドクラスターの内部構造と時間変化を解析した。レーダーは、クラスターのほぼ全生涯をとら、えた。このクラスターの水平スケールは約500kmで寿命は約15時間であった。クラスターは成熟期には4つのサブシステムから構成され、それらは下層風の風上側から順に若い段階にあった。個々のサブシステムの寿命は約8-10時間であった。このクラスターの発達と移動は、これらサブシステムの下層風風上側での引き続く発生発達で特徴づけられる。このクラウドクラスターの模式モデルが提案された。