気象集誌. 第2輯
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降水粒子の軌跡の地表面に於ける集中を記述する公式
金久 博忠
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1998 年 76 巻 4 号 p. 657-661

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抄録

3次元非定常のブジネスク近似の中規模の流れの中の、理想化された降水過程を考察する。この過程は次の様に仮定される。
降水粒子は生成されるや否や次の平衡に達する。即ち、流れに対して一定の終末速度で落下し、水平方向には流れと共に動く。地表面は一般に平ではなく、また流れの鉛直速度を生み出す為に、他の強制(例えば熱強制)も含み得るとする。
これらの仮定の下に、降水粒子の軌跡の、地表面に於ける集中を記述する公式を導く。特に流れが定常の場合、w0が正(負)の時には地表面での軌跡の集中(拡散)が起こる。但しw0は粒子の生成点での流れの鉛直速度である。流れが非定常の場合は、非定常性が軌跡の集中(拡散)を抑制あるいは促進する事が有り得る。

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