2009 年 15 巻 1 号 p. 59-65
内観研究における集中内観の想起テーマの順序についての知見は、あまり見当たらない。内観の想起テーマの順序は、内観を順調に進めて行くには重要な事柄だが、改めて調べてみると、多様なやり方で行われていることが分かった。そこで内観の想起テーマの事例を取り上げ、さらに、内観原法を確立した吉本が最終的に内観の想起テーマの順序をどのようにしたのかについて、吉本が重要視していた「母親」と「嘘と盗み」のテーマと、それに加えて「養育費」のテーマの順序についても検討した。また、内観の想起テーマを基本・重要・選択テーマに分けて論じた。