抄録
唐辛子品種「CH-19 甘」に含まれるカプシエイト類の経口摂取が,若年女性の冷え症改善に有用かを検討
した。若年女性10 名( 21.5 ± 0.5 歳)を対象とし,全研究期間を5 月~ 7 月までの8 週間とした。研究開始か
ら4 週間は1 日1 回カプシエイト類4.5mg を経口摂取させ,その後4 週間は摂取を中止した。研究開始時,4
週間後および8 週間後に四肢末梢部の皮膚温および安静時エネルギー消費量を測定し,冷え症に関連する不
定愁訴を調査した。カプシエイト類の4 週間の経口摂取は,若年女性の四肢末梢部の皮膚温を上昇させ,冷
え症に関連する不定愁訴を改善させた。しかし,これらの効果は,カプシエイト類摂取の中止により速や
かに消失した。一方,安静時エネルギー消費量は,有意な変動を認めなかった。本研究の結果は、カプシ
エイト類の経口継続摂取は,若年女性の冷え症改善に有用であることを示唆する。
キーワード:冷え症,皮膚温,不定愁訴,カプシエイト類