自然災害科学
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Print ISSN : 0286-6021
報告
2019年秋雨前線豪雨の特徴と佐賀県で発生した洪水災害の概要
山本 晴彦大谷 有紀渡邉 祐香兼光 直樹宮川 雄太坂本 京子岩谷 潔
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2021 年 39 巻 3 号 p. 253-281

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抄録
2019年8 月27日未明から秋雨前線の活動が活発になり,佐賀県西部の六角川上流の武雄では28日早朝までの24時間降水量が400mm 近くに達し,特に28日未明には最大3時間降水量が210mmを観測した。この結果,六角川の水位が上昇し,堤防の決壊や越水を防ぐためにポンプを止める「運転調整」を余儀なくされ,堤防内の市街地に溜まった雨水が排水できずに内水氾濫が発生した。六角川水系の牛津川でも,流域で降った豪雨により水位が上昇し,堤防からの越水により農地や市街地に浸水被害が発生した。また,佐賀市内でも内水氾濫が発生し,県内の住家被害は6,060棟にも及んだ。
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© 2021 日本自然災害学会
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