自然災害科学
Online ISSN : 2434-1037
Print ISSN : 0286-6021
報告
令和元年8月豪雨によって決壊した佐賀県小城市におけるため池の被災メカニズムに関する一考察
神山 惇藤本 哲生末次 大輔
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 39 巻 S07 号 p. 33-43

詳細
抄録
令和元年8月の豪雨では,福岡県および佐賀県で複数のため池が被災した。本研究では,佐賀県小城市において決壊した西分第1ため池の被災メカニズムを明らかにすることを目的とし,合理式法に基づいた堤体の越流発生の有無の判定および降雨浸透を考慮した堤体下流法面の安定性を検討し,ため池が決壊した要因の分析を行った。FEM 解析による非定常の飽和- 不飽和浸透流解析を行い,同時に修正フェレニウス法による堤体法面の安定解析を行った。その結果, 降雨浸透によって堤体下流法尻にすべり破壊が発生し,堤体が不安定化したことで,上流側に向かってすべり破壊が進行したことが主な要因と推察される。
著者関連情報
© 2020 日本自然災害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top